Day surgery 日帰り手術

日帰り手術

日帰り手術について

当院では白内障手術、緑内障手術をはじめとする、眼科手術全般を日帰りで受けていただけます。
目は非常にデリケートな器官なので、手術に対して患者さまが不安を感じるのは当然のことです。当院ではご不安をやわらげるために、一つ一つ丁寧な説明を行っています。手術の流れはもちろんのこと、術後の注意事項や予想される見え方の変化などもわかりやすくご説明しますので、気になることがありましたら何でもご質問ください。
手術での根治が難しい症例の場合や、日帰りでの手術が難しい患者さまも、よくご相談しながらベストと思われる治療法をご提案いたします。

日帰り手術について

日帰り手術が難しいケース

  • 重度の全身疾患がある
  • 重度の認知症がある
  • 歩行が困難で、術後に通院できない

上記に当てはまる方もご家族のサポートによっては日帰り手術が可能な場合もありますので、まずはご相談ください。
入院での手術が望ましいと診断された患者さまには、連携している高次医療機関へすみやかにご紹介させていただきます。

白内障手術

白内障の治療法は病状の進行段階によって異なり、症状が軽い場合は点眼薬で進行を遅らせ、症状が進行してきたら手術を行います。
白内障の手術は、濁った水晶体を超音波で粉砕して取り除き、代わりに透明な人工水晶体である眼内レンズを挿入する「超音波水晶体乳化吸引術」が一般的です。

通常、眼内レンズは1か所にピント(焦点)が合う「単焦点眼内レンズ」を入れます。ピントの調節機能はありませんので、ライフスタイルに合わせて遠距離、中間距離、近距離のどこにピントを合わせるかをお選びいただきます。
また当院では、遠距離、中間距離、近距離のすべてにピントが合う「多焦点眼内レンズ」をお選びいただくこともできます。従来の光の回折現象を利用した3焦点レンズのほか、近年開発された波面制御型の「焦点深度拡張レンズ」にも対応しています。このレンズは、ごく近距離を除く遠方から中間距離まで連続的に不自由なく見えることが特徴です。

単焦点眼内レンズ

単焦点眼内レンズ

遠方にのみピントが合っている

2焦点眼内レンズ

2焦点眼内レンズ

遠方と近方にピントが合っている

3焦点眼内レンズ

3焦点眼内レンズ

遠方、中間、近方にピントが合っている

多焦点眼内レンズはレンズ代が全額自己負担になるほか、レンズによっては夜間に光がにじんで見えるなどのデメリットもあるため、担当医とよく相談してから決めるようにしましょう。

※多焦点眼内レンズも手術費や手術前後の検査費用は保険適用です。
※他院からご紹介の患者さまは、手術後に数回診察を行い、問題がなければ紹介元の病院にお戻りいただきます。ただし、多焦点眼内レンズの手術をされた方は、術後に見え方が落ち着くまで当院にて経過観察をさせていただきます。
※当院では、現在の主流である3焦点レンズを採用しており、需要の少ない2焦点レンズは扱っておりませんのでご了承ください。

治療費用

単焦点眼内レンズを入れた場合の
自己負担額

(保険適用)
1割負担 約15,000円
2割負担 約30,000円
3割負担 約45,000円

※2024年4月より短期滞在手術等基本料が削減されたため、おおよその目安です。詳細はご確認ください。

多焦点眼内レンズを入れた場合の
費用

(レンズのみ全額自費、
手術費や手術前後の検査は保険適用)

3焦点
レンズ
クラレオンパンオプティクス(通常) 
340,000円(税込)
クラレオンパンオプティクス(乱視用) 
385,000円(税込)
テクニスシナジー(通常) 
340,000円(税込)
テクニスシナジー(乱視用) 
385,000円(税込)
ファインビジョンHP(通常) 
340,000円(税込)
※乱視用は規格無し
焦点深度
拡張レンズ
クラレオンビビティ(通常) 
340,000円(税込)
※乱視用は規格無し

※上記のレンズ価格にプラスして、保険適用の手術費用や検査費用の自己負担額がかかります。
※保険適用の費用については高額療養費制度の対象となり、上限額を超えた金額は支給を受けられます。詳しくは厚生労働省の資料を確認するか、ご加入の健康保険組合にお問い合わせください。

厚生労働省 高額療養費制度を
利用される皆さまへ

緑内障手術

点眼治療やレーザー治療を行っても十分に眼圧を下げられない場合、または早期に眼圧を下げる必要がある場合に手術治療を行います。
眼圧は目の中を循環している房水がうまく排出されないと上昇してしまうため、房水の排水口である線維柱帯の一部を取り除いて、房水の流れ道を開放する流出路再建術(線維柱帯切開術)を行います。
しかし、このような手術治療を行っても永久に眼圧を維持することは難しく、数年から10年ほどで効果は薄れてきます。その場合は再度、流出路再建術を行うか、目の外に房水を流す迂回路(バイパス)を造る濾過手術(線維柱帯切除術)や目の中にチューブを入れて外に房水を流す手術(チューブシャント術)を行います。

眼瞼下垂の手術

まぶたが下がってきて視界が見えにくくなる眼瞼下垂は、点眼薬で治すことができません。そのため、まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋腱膜やミュラー筋)を短くする手術による治療を行います。
当院では、横浜市大市民総合医療センターの形成外科部長である小久保 健一 先生が執刀いたします。眼瞼下垂が気になる方は、お気軽にご相談ください。

術前

術前

術後

術後6か月

患者さんの
年齢
70歳代 女性
症状 物がみにくい
まぶたが重ったるい
目が小さくなった(上まぶたが黒目にかぶってきた)
二重の幅が広くなってきた
三重になってきた
おでこのシワが深くなってきた
眉毛の位置が高くなってきた
眉毛とまつげの間が、くぼんできた
頭痛や肩こりがひどくなってきた
治療内容 まぶたを上に挙げるための筋肉を短くして瞼板に固定します
皮膚が余っている場合には、眉毛の下や、まつげの上で切除します
費用 3割負担の方:両眼で約45,000円
1割負担の方:両眼で約15,000円
治療期間・
回数
手術後は、消毒、術後約2週(抜糸)、術後約1か月(検診)、約3か月(検診)の通院が望ましいです
デメリット・
リスク
腫脹・内出血:手術後2週間は腫脹が目立ち、その後消退していきますが、術後3か月までは継続する場合があります。
痛み:手術中は、一番最初の麻酔の痛みがあります。また筋肉の近くを操作する際に痛みが出現することがあります。
再発:術後、再度まぶたが下がってくることがあります。その場合には再手術が可能です。
眉毛下垂:術後、もともと挙上していた眉毛がさがってくることがあります。それにより上まぶたの皮膚が垂れてくることがあります。その場合には、後日皮膚切除をすることが可能です。
左右差:術直後は同じ目の大きさで終了しますが、経過とともに左右の目の大きさや、二重の幅、形が変化することで左右対称にならなくなることがあります。
予定外重瞼線:切開した部位が二重のラインになりますが、その更に上にラインがでることがあります。

※他院からご紹介の患者さまは、手術後に状態が落ち着きましたら紹介元の病院にお戻りいただきます。
※まぶたの機能回復を目的とした保険適用の手術です。美容を目的とする自費の手術ではありません。

逆さまつげ(睫毛内反症、眼瞼内反症)の手術

逆さまつげ(睫毛内反症、眼瞼内反症)とは、まつ毛が外向きではなく内向きになっているために眼球に接触している状態のことで、上まつ毛よりも下まつ毛に多く見られます。睫毛内反症のひどい場合や下まぶたが丸まっている下眼瞼内反症の場合は手術治療を検討します。
手術はまず、糸で下まぶたを反転させて縫い付ける方法(下眼瞼通糸埋没法)で行います。手術後も再発する場合や重症の場合は、下まぶたを牽引している筋肉を短くする手術(Jones法)を行います。
当院では、横浜市大市民総合医療センターの形成外科部長である小久保 健一 先生が執刀いたします。逆さまつ毛でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

術前(正面視)

術前(正面視)

術後6か月(正面視)

術後6か月(正面視)

術前(斜位)

術前(斜位)

術後6か月(斜位)

術後6か月(斜位)

術前(側位)

術前(側位)

術後6か月(側位)

術後6か月(側位)

患者さんの
年齢
70歳代 女性
症状 なみだがこぼれやすい
目がゴロゴロする
目が充血している
目が痛い
まぶしい
治療内容 まぶたが眼球側に傾いてしまっているので、筋肉を瞼板に固定します。
固定することで、まぶたを外側にむけることができます。
皮膚が余っている場合には、少量切除を行います。
費用 3割負担の方:片眼で約12,000円
1割負担の方:片眼で約4,000円
治療期間・
回数
手術後は、消毒、術後約2週(抜糸)、術後約1か月(検診)、約3か月(検診)の通院が望ましいです
デメリット・
リスク
腫脹・内出血:手術後2週間は腫脹が目立ち、その後消退していきますが、術後3か月までは継続する場合があります
痛み:手術中は、一番最初の麻酔の痛みがあります。また筋肉の近くを操作する際に痛みが出現することがあります。
再発:術後、再度まぶたが眼球側に傾くことがあります。その場合には再手術が可能です。
傷跡:切開した部位が傷跡になりますが、1か月程度で目立たなくなります。
外反:術後に一時的に下まぶたが、眼球側から離れ赤い結膜が露出することがあります。
ほとんどが自然経過でなおりますが、万が一治らない場合には再手術が可能です。

※他院からご紹介の患者さまは、手術後に状態が落ち着きましたら紹介元の病院にお戻りいただきます。
※まぶたの機能回復を目的とした保険適用の手術です。美容を目的とする自費の手術ではありません。

涙道手術

涙はまぶたの耳側にある涙腺で作られ、そこから鼻側にある「鼻涙管(びるいかん)」という管を通って常に鼻の中に流れていきます。加齢により鼻涙管が細くなったり、詰まったりする「鼻涙管狭窄症」や「鼻涙管閉塞症」になると、流れ出ていく通り道を失った涙が目からあふれる流涙症が起きます。
また、目の表面の結膜(白目)がたるんで皺になる「結膜弛緩症」でも、涙の流れが悪くなり流涙症を生じることがあります。
このような原因で起こる流涙症は、症状に応じて手術治療(涙管チューブ挿入術、結膜弛緩症手術)が必要になります。

※他院からご紹介の患者さまは、手術後に状態が落ち着きましたら紹介元の病院にお戻りいただきます。

その他の外眼手術
(翼状片、眼窩脂肪ヘルニア、ものもらいなど)

外眼手術とは、まぶたや涙道など眼球の周囲を取り巻く器官に行う手術のことです。それに対し、硝子体手術・白内障手術・緑内障手術は内眼手術といいます。
当院では眼瞼下垂や涙道手術のほか、翼状片、眼窩脂肪ヘルニア、ものもらい(麦粒腫、霰粒腫)など、外眼部の疾患に対するさまざまな手術に対応しております。
手術についての詳細は、当院にお気軽にご相談ください。

網膜硝子体手術

硝子体は眼球の大部分を占めるゼリー状の透明な組織で、その硝子体を覆っているのが網膜です。
加齢にともなって、網膜の上に膜が張ったり(黄斑前膜)、網膜に穴が開いて剥がれてきたりすること(裂孔原性網膜剥離)があります。
また、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性症といった疾患により、網膜から新生血管が生じることがあります。新生血管は非常にもろいため、破れて硝子体に出血を起こす「硝子体出血」や、新生血管の周りにある増殖膜により網膜が眼底から引きはがされる「牽引性網膜剥離」を起こすことがあります。
このようなさまざまな状態で、硝子体手術が必要になります。

手術方法

硝子体手術は局所麻酔下で行われ、まずは眼球に3、4ヶ所の小さな穴を開けて細い円錐状の手術器具を挿入します。穴の一つからは眼圧を保つための液を注入し、別の穴からは眼内を照らす照明器具や硝子体カッターを挿入して、視界不良の原因となっている病変箇所を切除して吸引除去します。そのほか、網膜にレーザー照射を行うなどの疾患に応じた処置を行います。手術時間は症例により異なりますが、30分から60分程度です。

適応となる疾患

網膜剥離、糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑前膜、ぶどう膜炎、網膜静脈分枝閉塞症、硝子体出血、硝子体混濁など

抗VEGF薬硝子体注射

網膜の血流が悪くなると、血管から水分が漏れ出して網膜の中心にある黄斑にむくみを生じる「黄斑浮腫」を引き起こします。黄斑は視神経や視細胞が密集しているため、黄斑浮腫は深刻な視力障害につながることがあります。
また、悪化した血流を補うために新生血管が作られると、これらの血管はもろく破れやすいため重篤な網膜疾患のリスクが高まります。
抗VEGF薬硝子体注射は、血管からの漏出や新生血管の発生を誘発するVEGF(血管内皮増殖因子)と呼ばれるたんぱく質のはたらきを抑え、糖尿病黄斑浮腫や網膜静脈閉塞症などを予防する新しい治療法です。

適応となる疾患

次の4つの疾患が抗VEGF薬治療の適応症として承認されています。
※2024年5月現在

加齢黄斑変性症
糖尿病網膜症(糖尿病黄斑浮腫)
網膜静脈閉塞症
強度近視(病的近視)

各種レーザー治療

網膜光凝固

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などで、血管が閉塞して血流が途絶えた網膜領域は、レーザー照射でその領域の網膜を凝固させる必要があります。また、網膜に裂け目(網膜裂孔)ができた場合、まだ網膜剥離になっていなければ、瞳孔から裂け目にレーザーを照射して焼き付けて、裂け目をふさぐことができます。この処置を「レーザー網膜光凝固」といい、これにより裂け目の周囲の網膜とその下の組織がくっつくため、網膜がはがれにくくなります。
ただし、レーザー網膜光凝固を行っても、病気の勢いによっては網膜剥離に至ってしまうことがあります。

治療費用

網膜レーザー 通常のもの

1割負担の方 約11,000円
2割負担の方 約22,000円
3割負担の方 約33,000円

網膜レーザー 特殊なもの(糖尿病網膜症、網膜剥離、網膜中心静脈閉塞症など)

1割負担の方 約17,000円
2割負担の方 約34,000円
3割負担の方 約50,000円

SLTレーザー(緑内障治療)

緑内障治療のために何種類もの点眼薬を使っている場合や、点眼薬を使っても視野の狭窄が進行する場合には、レーザー治療によってもう一段眼圧を下げる効果が期待できます。ただし、効果には個人差があります。
「開放隅角緑内障」では、房水の排出口である線維柱帯に色素細胞などの老廃物が目づまりして排出が悪くなっているため、眼圧が上昇しています。そのため、線維柱帯にレーザーを照射して、つまっている色素細胞などを選択的に破壊して、正常細胞に影響することなく目づまりを解消して、房水の排出を促します。この治療を「選択的レーザー線維柱帯形成術」といいます。
さらにわかりやすく言いますと、“レーザーを使ってつまった排水溝のお掃除をして、目の中の水が排出されやすくする治療”です。

SLT緑内障レーザー治療の特徴
外来診療でご来院いただき、点眼麻酔下で治療できます。
レーザー照射は10~15分程度で終了します。
副作用が少なく、痛みはほとんどありません。
治療後すぐに日常生活に戻れます。

※レーザーでも十分な眼圧下降が得られない場合、または、早期に眼圧を下げる必要がある場合、手術治療を行います。

治療費用
緑内障のSLTレーザー(選択的レーザー線維柱帯形成術)

1割負担の方 約10,000円
2割負担の方 約20,000円
3割負担の方 約31,000円

YAGレーザー(後発白内障治療)

白内障手術は濁った水晶体(白内障)を除去しますが、眼内レンズを挿入するために水晶体の入っていた袋(水晶体嚢)は残しておきます。後発白内障とは、その袋(水晶体嚢)が濁ってくる病気です。白内障手術を受けた方の約5人に1人に発症するといわれていますが、濁りの程度が軽く、見え方に問題がなければ治療の必要はありません。
支障をきたすようになった場合は、眼内レンズの裏にある水晶体後嚢にYAGレーザーを照射して、穴を開ける治療で濁りを取り除くことができます。手術は点眼麻酔下で行うことができ、所要時間は5分程度と負担の少ない治療です。

Page top